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バックエンド~今日の晩飯もスライムか: 魔法使い養成塾の立ち上げ方 その4

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『はい?』

『あのぉ・・・経営について教えて欲しいのですが・・・』

『あぁ!お客さんね。ありがとう!30ゴールドでいいよ!』

『いや、ちょっと!まだそこまでの話ではないのですが・・・』

『あんたねぇ!人に物を頼むのに、タダってことはないだろ?

『しかしまずはちょっとだけ相談に・・・あ!!』

 

その瞬間、電撃が走ったような感覚に陥った。
すばらしいアイデアが浮かんだのだ。

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遠い昔。母から噂だけは聞いたライデインのような衝撃だった。

『おい!30ゴールドだ。』

『いえ、もういいです。ちょっと思いついたことがあるので帰ります。』

『ちょっと待て!』

そういってコンサルタントは肩を掴んできた。

『オレは昔、武闘家だったんだ。レベルは15。どうだ動けまい。』

確かに凄い力だ。しかしどうってことはない。

静かに目を閉じ「スカラ」と心の中で唱える。

体をうっすらと光が包む。

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同時に、コンサルタントの手に力が入らなくなっていく。

『おいおい!なんだこれは!?これがスカラか!』

防御力が1.5倍になった私はさらにピオリムを唱え、スピードを上げた。

そして一目散にコンサルタント事務所を後にした。


『とんだイカサマコンサルタントだったなぁ。』

しかしとんでもない収穫を得ていた。
”無料セミナー”だ。

いきなり「魔法を学ばないかい?」と声をかけたところで
話を聞いてくれる人などいないだろう。

そこで、無料セミナーを開催するのだ。

『誰でも3時間でメラが使えるようになる』というコンセプトだ。

無料でメラが3時間で使えるようになるとしたら殺到するだろう。しかしメラが3時間で使えるようになるだろうか?

いや無理だった。

メラは魔法使いであればレベル1から使えるが、その他の職業だと、勇者がレベル2で使える程度。

その他の職業が3時間で使えるようになるのは無謀だった。
しかし方向性に間違いはないように思える。

あとはコンセプト・・・。

横ではダーマがイビキをかいて気持ちよさそうに寝ている。

『知り合いに宿屋がいて・・・』

寝言でも言っている。もう聞き飽きた。

僧侶であればマホトーンで口を塞げたのに・・・。

こいつはいったい

何が出来る奴なんだ!?


『まぁお前が言うならいいけどなぁ。でも・・・』

小学校からの友人はあまり乗り気ではなかった。
父親が大の”モンスター格闘”ファンだった。
カジノにある大人気のギャンブルでどのモンスターが勝つのかを掛けるのだ。

そこから”オルデカ”と名付けられたということだったが、いったいどこがギャンブルと関係あるのかわからなかった。

『頼むよ、オルデカ!』

『まぁオレもメラで使えたら嬉しいけどな。』

『だろ?』

『でもサクラなんて気が引けるなぁ。』

『いや、サクラではなく、招待なんだよ。別に内緒じゃない。』

『そっか。でも3時間でメラが使えるようになるのか?』

『いや、無理だと思う。だから、基礎を教えて

 あとは家で自主トレしてもらうプランにするんだ。』

『家でなんてやるかなぁ。めんどくさそうだし。』

『そこがポイントなんだけど、1週間後にまた来てもらうんだ』

『あぁなるほどね。つまり宿題ってわけか。』

『そうそう。どう思う?』

『それはいくらで提供するつもりなんだ?』

『300ゴールド』

『高いよ!』

『でもメラが使えるようになるんだぜ?』

『でもほぼ自主トレだろ?せいぜい50ゴールドだろうな。』

『それじゃあ儲からないよ。』

『じゃあこうしたらどうだ?300ゴールドのプランだと

 さらにスクルトも教えるとか。』

『バックエンドか。』

『つまり1から10まで教えるんじゃなくて

 コンサルティングをするイメージでいいんじゃないのか?』

『なるほど。』

ダーマとは大きな違いだ。
オルデカと一緒に仕事がしたい。そう思った。
オルデカと話しているうちにいろいろアイデアが出てきた。

まず無料セミナーでは、メラよりも威力は低いがマッチ程度の火力はある魔法を修得してもらう。
これなら3時間もあればなんとかなりそうだ。

そして来てくれたお客さんにアンケートと書いてもらい個別相談を受け付けることにした。

個別相談を申し込んだ人には後日連絡しメラを50ゴールドで教える。

もちろんこれは手取り足取りではなく基本は自宅でやってもらうものだ。

たまに来て、進捗を聞き、悩んでいることを話してもらい解決していく。

そうすることでかなり安く提供できる。

魔法学校に通っていたころ、結局は自分で頑張るしかなく、
先生は相談に乗ることが多かったがそれを思い出していた。

(続く・・・)

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