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樺沢紫苑先生の「覚えない記憶術」のレビュー、書評

10年前から仲良くさせていただいている樺沢さんの新刊を、いち早くレビューしてみます。

【アウトプットと記憶】

本を読んでも90%は忘れるんです。
つまり10%しか記憶できない。
※アメリカ国立訓練研究所の発表

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これを樺沢流ではどう解決するのか?
それが気になっていました。

10%しか記憶できない・・・。
どう10%よりアップさせるのか?

さてもう一度ラーニングピラミッドを見てみましょう。
一番下は「他の人に教える」です。

これはあなたも聞いたことがあるし、体験したことがあるのではないでしょうか?

人に教えるつもりで学習すると、90%記憶している。
つまり10%→90%ですから80%も向上しているのです。

ではなぜ80%もアップするのか?

「覚えない記憶術」にそのヒントが書かれていました。

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40ページにはこのように書かれています。
『アウトプットとは人に話したり、文章に書いたりすることです。アウトプットするとなぜ記憶に残るのか?アウトプットとは、入力された情報を使用するということです。何度も使用される情報は海馬が重要と判断して長期記憶に残りますから、アウトプットすることで忘れなくなるのです。』

さらに94ページにも興味深いテクニックが。

『「理解」「整理」「記憶」「反復」という4つのステップを踏むことで効率的に記憶することが可能になります。理解、整理に十分な時間をかけることで、「意味記憶」が「エピソード記憶」化しますから、記憶しやすく、忘れにくくなります。』

そして201ページ。なんとfacebookを使った記憶術についてのくだりにも大きなヒントがあります。

『SNSに書くということは「他の人に読まれる」「他の人に読んでもらう」ことを前提にしています。「読まれる」という軽い緊張感が、集中力を高め、文章力を高め、記憶力を高めるのです。プレッシャーが適度な緊張となってノルアドレナリンを分泌させますから、記憶に残りやすくなるのです。』

つまり
・情報を使用することで”覚えるべき重要な情報である”と認識
・教えるということは必然的に理解・整理・記憶・反復の4ステップを経ることとなる
・軽い緊張感によって脳内物質が分泌される
ということらしいです。

セミナーをするときに、一番勉強になっているのは講師です。
セミナーをやるのはまだ敷居が高いという方は、「SNS記憶術」を使い、ぜひfacebookなどに学んだことを投稿してみてください。


【睡眠と記憶】

「睡眠不足によって、すべての勉強の努力が無駄になる」

そんな衝撃的な事実を知ったとしたら・・・。

ハーバード大学の博士が「覚えたその日に6時間以上眠ることが必要だ」という研究結果を発表しました。
つまり一夜漬けはもちろん、睡眠時間を4時間に削って勉強しても、すぐに忘れてしまうらしいのです。

社会人は学生と違い、日中は仕事をしていますから、資格試験の勉強など夜中にやるしかありません。
必然的に睡眠時間が4時間とかになってしまうでしょう。
しかしそれでは効率が悪いというのです。

そうは言っても、仕事時間も勉強時間も削りたくない・・・。
ではどうするかというと、仮眠でも効果があるらしいです。

40分程度の仮眠でも記憶定着効果があるので、どうしても睡眠時間を削らざるを得ない人は仮眠をとることでかなり解決できそうですね。

具体的には昼休み。食事をとったら少しでも寝ましょう。

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【感情と記憶】

ある記憶実験が行われました。
単純な単語と、感情を刺激する単語。
どちらが記憶に残りやすいかの実験です。

なんと後者の方が記憶されやすいという実験結果を得られました。

つまりワクワクやドキドキなどの感情が伴うと、記憶定着率が高くなるということなのです。

どうやら脳内物質が関係しているらしいです。

確かに生物が生きていくうえで「自分にとってメリットがある行動だった」や「これは危険な行動だった」は記憶に残らないと生存が脅かされますからね。
メリットがあった行動は再現すべきですし、危険な行動は再現するべきではない。
おそらくそういった本能と関連しているのでしょう。

脳内物質をコントロールして学習効果を高めるなんて凄いことですね。

同じく脳内物質ということでいうと、適度な緊張も効果的とのこと。

A woman is sad and reading.

A woman is sad and reading.

 

【記憶の衝突】

「集中学習」と「分散学習」の比較実験が行われました。

ある学習を1日で詰め込むのと、2日かけて学習したのとの比較です。

数日後にテストをすると「分散学習」の方が成績が10%もよかったのです。

いったい何が起きたのでしょうか?

”多くの情報が一度の詰め込まれる「記憶の衝突」が起きる”ことで、記憶の定着を妨げるのです。

1度に長時間勉強するよりも、勉強時間を分割して「繰り返す」方が覚えられます。

また前述した「睡眠」も「記憶の衝突」を回避するよい方法です。

覚えたらすぐに寝ることで、他の情報が入ってこないためです。

 

【音楽と記憶、音楽と仕事】

いわゆるBGM。
かけている場合と、かけていない場合。どちらが学習効果があるのでしょうか?

残念ながら音楽は、記憶にはマイナスらしいです。

ただし作業や運動にはプラスに働きます。

 

【過去問題】

私はIT系の国家試験の「情報処理技術者試験」に合格しております。
その中でもいくつか区分があるのですが、比較的難しいものに合格しています。

プログラマは本当に忙しく勉強する暇などありません。

しかし前述した「ワクワク感」と「適度な緊張感」をうまく使い勉強をしていました。

さらに「覚えない記憶術」に書かれている「過去問題の活用」はかなり使っていました。

106ページには「過去問が先、参考書は後」とありますが、そのとおりだと思います。

過去にどんな出題がされたかを一通り把握してから参考書で勉強すると効率がまったく違います。

さらに・・・次で述べる「運動」がよかったのかもしれません。

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【運動と記憶】

これは意外でした。まさか運動が記憶定着に効果があるとは・・・。

254ページ:運動は、海馬の神経を増やし、長期記憶を強化する

255ページ:運動直後から学習機能がアップする

258ページ:ぐっすり眠れる(睡眠と記憶の関連)

259ページ:モチベーションが高まる

などが特に参考になりそうです。

運動をすることで脳が活性化し、学習効果が高まるらしいですね。
当然仕事効率もよくなるでしょう。

私は子供が生まれるまでかなり運動をしていましたが、最近はまったくです・・・。
これを機に運動をしようと思いました。

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あら、この記事を書くために本を開いてパラパラめくったら、特に興味深い箇所のみではありますが読めてしまったし、覚えてしましました。

アウトプットを前提にするとやはり学習効果は劇的にあがるようですね。

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