石田宏実.com

【運動会の写真が全部消えた】

日常では泣かない。大人だから。
ただ子供の成長だけは別。堪えきれない涙が頬を伝う。

しかし・・・その思いでが一瞬で消えてしまった。

メールで「議事録.txt」なんていうファイルが送られてきたら
誰だってクリックしてしまうだろう。

その瞬間・・・入園式、運動会、誕生日、旅行。
それらの写真、動画が消去されてしまったのだ。

いったいコンピュータウィルスなど
誰がなんの目的で作るのだろうか。

話は2か月前にさかのぼる・・・。

  ※このストーリーはフィクションです。

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『こっちこっち!・・・カシャ!』

目に大量の涙がたまった長男の顔が
デジタルデータに変換され、スマホに保存される。

入園したころは幼稚園に行くのをかたくなに拒んでいた。

月曜日なんかはよく号泣したものだ。

そのたびに

「帰ってきたら仮面ライダーみようか」

「おいしいお菓子買っておくから」

と、手を変え品を変え説得を試みる。

しかしそれは多くの場合 徒労に終わる。
結局は先生によって無理やり幼稚園バスに乗せられる。

帰ってきたときにはケロッとしているのだが
土日によく遊んだ日ほど、月曜日はつらくなるらしい。

サラリーマンと一緒だ。

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そんな息子も3か月もするとかなり慣れてきていた。
幼稚園がだんだんと楽しくなってきている。

そして最初のイベント、運動会。
快晴だ。
花火の音を聞く前に、妻はお弁当の用意を始めている。

8時過ぎ。用意が遅いことで多少もめながらも
なんとか遅刻せずに幼稚園に到着する。

そして園児だけの集合場所に向かうのだが・・・
手を放そうとしない。

先生が無理やり抱きかかえたときには、
目に涙がたまっている。

思い出にと写真を4枚、動画を50秒撮影する。
スマートフォンは家族の行事でも大活躍している。

最初の競技は徒競走。
6人で走りなんと2位!
まぁそんなものだろう。
俺の血を引いているのだからな・・・。

スタートラインにつくところから、
ダッシュをした瞬間、そして3位から2位になって瞬間
ゴールした瞬間。すべてデジカメに記録した。

その後のお遊戯、そして障害物競争も同じく決定的瞬間を量産できた。

子供が生まれるまで、写真を撮るのは面倒だった。
いや、むしろ嫌いだった。
そのときを楽しめばいいではないか?

しかしそれは一変する。
とにかくどこに行くにもデジカメとビデオを持参するのが習慣になっていた。

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自宅に帰り息子が記録されたすべての電子機器をパソコンにつなぐ。

デジカメ、ビデオカメラ、スマホ。

ここ数年で劇的に便利になっている。

以前であればビデオデッキにつないで、
VHSにダビングしないといけない。

せっかくの思い出なので画質にはこだわりたい。
そうするとあっというまにビデオテープが積まれていくことになる。

その点パソコンであれば記憶容量を消費するだけだ。

とはいえ一昔前のパソコンだったため
500ギガ程度しかない。

そろそろDVDに焼いておこうか。
万が一ハードディスクが故障したら大変だし。

しかし疲れていた私は、明日にすることを決断してしまった。

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日曜日。早めに目が覚めた。

いまのうちにDVDへのダビングをやっておこう。

パソコンの電源を入れる。
いつもどおりの見慣れた画面だ。

運動会のデータが記録されたフォルダを開く。

確か「マイピクチャ」に入れたはずだ。





『アレ?』

思わずつぶやく。

おかしい。確かに「マイピクチャ」に保存したはずだった。

念のため「マイビデオ」を見てみる。

『あ、これか』

念のためダブルクリックしてみると
それは入園式の映像だった。

おかしい。昨日、デジカメなどからコピーしてきた写真や映像が見当たらない。

その時、寝る前に不用意にやってしまった
ある行動が頭をよぎる。

『まさか・・・』

(続きは動画で)

http://www.youtube.com/watch?v=t9qIfPUlwLw

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